八重の桜 5
2013年4月17日
八重の桜の脚本は、「ゲゲゲの女房」と同じ山本むつみが書いています。とても上手ですね。先週(4月7日)には、今後の話を暗示するシーンがいくつか出ていました。
一つは、京都で月を見ているシーンです。これは「八重の桜1」で書いた会津落城の際の「明日の夜は・・・・・・・」に繋がっていきます。
もう一つは秋月悌次郎が蝦夷へ行くことになったシーンです。秋月は西日本諸藩の事情に通じ、薩長にも交渉ができる人脈を持っていました。「八月八日の政変」などにおいて薩摩と会津が手を組めたのは、彼の活躍によるところが大きかったのです。ドラマの中での秋月は少し前の回で京都から会津に戻されていますが、実際に彼が京都を離れたのは「蛤御門の変」の後になります。身分の低い秋月を重用し、取り立てていた家老横山主税が病死したことによって後ろ盾をなくしたためでした。この秋月の蝦夷地左遷によって会津は自ら薩長などの諸藩との交渉ルートを断ち切ることとなり、結果としてこの回のタイトルにもなった薩長の密約、俗にいう薩長同盟を結ばせてしまいました。この同盟がのちの戊辰戦争において会津を攻め落とし、斗南藩(下北半島北部)に転封させ、会津藩士たちを苦境に立たせることになります。